JR京都駅ビル東ゾーンの2階に「がんこ」はある。大階段のある西ゾーンのダイナミック
な空間に対し、ここは京都劇場の入り口ということもあり、静かで大人の雰囲気が漂 っている。
JRへの出展は新大阪店に続き2店舗目である。鰻の寝床のような新大阪店と は新大阪店とは対照的にここは天井高6〜8mもある大きな空間で、入り口を除き、周囲
がすべて耐火壁で覆われた閉鎖的な空間となっている。
必要な客席数を確保するには 、3階部分を増床することが不可欠であったが、床をつくりそして内装を施すのではな
く、大きな空間を“外”に見立てその中に建築するという手法をとった。暗闇に置か れたあんどんのような二つのシャフト。列柱のあるテーブル座席を大きな空間に“入
れ子”のように注意深く挿入していき、スケール感そして奥行き感のある空間をつく ろうと思った。二つの大きなあんどんはいろいろな角度から見ることができ、店内全
体にあってシンボル的な役割を果たしている。今回はアプローチの土塀、路地、そして水や石といった伝統的な伝統的な日本の要素をモチーフとして用いているが、京都という地域性は特に意識せず、あくまでもモダンに表現したつもりである。
囲われた大きな虚構の空間の中で光と闇、内と外、静的な空間とダイナミックな空間との関係において、対峠あるいは融合によって生まれる緊張感のある空間を求めた。巨大な複合商業施設内ということで、多くの関係者との協力でできた思い出深い作品である。 |