「がんこ 新大阪店」は私にとって武庫川店(01年3月号)につづき2店舗目である。武庫川店のゆったりした空間と違い、100坪近くもあると思えない細長いL字形の平面、そして極端に低い階高、さらにスラブ下には上階ホテルの配水管や給水管が走っている。ホテルの1階というイメージからはほど遠い空間である。狭さを感じさせずウナギの寝床のような空間を広がりのある空間にどう変換させるか。また個性のある個々の領域を気配を感じさせながらどう繋ぎ、そして仕切るかが大きな課題であった。
石の壁、そして和紙の光壁をL字形に貫入させる案が出たとき、この空間は出来上がったといえる。今回は特に石、和紙、土、木、竹など自然素材の持つ実体としての特性を生かしながら光と影、漂う空気、人の気配といった目に見えないものを意識し、それぞれの領域の個性を出すべく注意深くデザインしたつもりである。そして和風といった伝統的なスタイルでなく、よりモダンで新鮮な空間を求めた。 |